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浄化槽の整備・運営管理手法について
古市 昌浩 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2018年 11月号)
1.汚水処理に関する政策と国際的な動向
2.浄化槽による汚水処理普及率向上の課題
3.浄化槽による汚水処理普及率向上に関する対応策
4.最後に

1.汚水処理に関する政策と国際的な動向

  平成29年度末における全国の汚水処理施設の処理人口は1億1,571万人となり、総人口に対する割合でみた汚水処理人口普及率は90.9%となった。しかし、未だに約1,200万人が汚水処理施設を利用できない状況となっている1)。今から4年前の平成26年に、汚水処理事業を管轄している国土交通省,農林水産省,環境省の三省は,今後,生活排水処理施設の整備をどのように進めるべきかを示す「持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」2) を策定している。主なポイントは以下の4点となっている。

@ 時間軸の観点を盛り込み、中期(10年程度)での早期整備と共に、長期(20〜30年)での持続的な汚水処理システム構築を目指す。
A 中期的なスパンとしては、汚水処理施設の整備区域は、経済比較を基本としつつ、時間軸等の観点を盛り込んだ。汚水処理施設の未整備区域について、汚水処理施設間の経済比較を基本としつつ、10年程度を目途に汚水処理の「概成」(地域のニーズ及び周辺環境への影響を踏まえ、各種汚水処理施設の整備が概ね完了すること)を目指した、より弾力的な手法を検討する。
B 長期的なスパン(20〜30年程度)では、新規整備のみならず既整備地区の改築・更新や運営管理の観点を含める。
C なお、整備・運営管理手法については、住民の意向等の地域のニーズを踏まえ、水環境の保全、施工性や用地確保の難易度、処理水の再利用、汚泥の利活用の可能性、災害に対する脆弱性等、地域特性も総合的に勘案した上で、各地域における優先順位を十分検討した上で選定する。

  汚水処理人口普及率は平成25年度末の88.9%から4年間で2%向上したが、残り6年でさらに9%(100%-90.9%)向上させる必要がある。国際的には、平成28年1月発効の「持続可能な開発目標(SDGs)」4) において、2030年までに未処理生活排水の割合を半減化することとしているが、我が国としては、汚水処理マニュアルに基づく事業の推進が優先であろう。

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2.浄化槽による汚水処理普及率向上の課題
 
  環境省は法定検査において、「検査結果の伝達及び活用ルートを明確にすることにより責任体制を確立するとともに、都道府県や指定検査機関による改善指導の強化、関係業界の自主的な取り組みの推進等により、検査結果が浄化槽機能の速やかな改善に活用されるシステムを構築し、法定検査の意義の明確化を図る。」としている。具体的には@検査結果の伝達及び活用ルートの明確化、A都道府県及び指定検査機関による指導の強化、B管理者に分かりやすい検査結果の通知、C検査結果が浄化槽機能の改善につながるようなシステムの構築5) としている。これらは、マニュアルの4番目のポイントである「整備・運営管理手法」に相当し、浄化槽による普及率向上に関する課題と言える。
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3.浄化槽による汚水処理普及率向上に関する対応策

  浄化槽による汚水処理事業は、前項の課題および自治体の事務経費・労力負担軽減の両立を目指したICTによる適正なシステムでの運用が必要とされている6)。そこで、浄化槽運営システムの事例7) について以下に紹介する。

(1) システムの概要と連携体制
    浄化槽の運営は、前述したとおり関係業界の自主的な取り組みによって推進することが重要とされている。それに対応するシステムの事例を図1に示す。図1における連携体制は行政と浄化槽設置者、浄化槽関連業者および検査機関によって構築され、「浄化槽基盤情報の整備」、「法定検査結果の活用」、「維持管理状況」の見える化、さらに浄化槽の実態情報を加味したモニタリングによって適正な運営につなげることをコンセプトとしている。


図1 システムの事例 7)

(2) システムの目的と機能
    本システムの目的は、関係者との連携によって集積されたデータと、モニタリング機能によって、浄化槽の適正化と情報の一元管理、事務の効率化、見える化を実現した、適正な浄化槽の運営管理としている。これにより、浄化槽の運用情報を実態ベースで把握できるようになることから、汚水処理施設の普及および未普及状況の確認が可能となる。また、台帳情報の更新や登録操作を業者と連携することにより、台帳整備の負担軽減と台帳情報の精度向上が図れ、さらに、従来と異なる管理運営によって、業者のサービス品質向上を期待することができる6)

図2 システムの機能 6)

(3) システム構築に関する課題
    本システムのコンセプトを実現させるためには、行政や法定検査機関および民間業者の連携が必要であり、場合によっては法改正を含めた地盤づくりが必要と考えられる。また、情報管理においては、各種情報の解析結果と実態との擦り合わせを行い、システムの完成度を継続して向上させることが重要と考えられる。
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4.最後に
 
  我が国における汚水処理の普及率向上は終盤をむかえている。しかし、建築物の新築に伴う浄化槽の設置は今後も続き、既設単独浄化槽の合併化は今後本格化するものと期待されている。また、浄化槽は設置されると「保守点検」「清掃」「法定検査」が長きにわたり継続されることから、持続可能な汚水処理施設構築の一環として、従来の課題に対処することのできる浄化槽管理・運用システムの構築が急務と考えられる。
 
参考文献
1) 環境省,平成29年度末の汚水処理人口普及状況について,https://www.env.go.jp/press/105821.html ,(2018年9月30日閲覧)
2) 国土交通省,農林水産省,環境省,持続可能な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル(2014)
3) 環境省,平成25年度末の汚水処理人口普及状況について,https://www.env.go.jp/press/18648.html,(2018年9月30日閲覧)
4) 国際連合広報センター:持続可能な開発目標(SDGs)とは, http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/,(2016年2月6日閲覧).
5) 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課浄化槽推進室:浄化槽の法定検査の受検率向上に向けた取り組み事例,pp.2-3,(2010)
6) 環境省ホームページ,「今後の浄化槽の在り方に関する懇談会」提言〜浄化槽が輝く未来〜,p3,https://www.env.go.jp/(2019年10月2日閲覧).
7) 特定非営利活動法人浄化槽ナビゲータ認証機構作成資料
(株式会社ハウステック 住機環境事業部)
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