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固液分離担体流動生物ろ過循環方式FCA-JI、A型の紹介
明壁 典夫 (一社)浄化槽システム協会講師団 (月刊浄化槽 2023年5月号)
1. はじめに
2. 概要
3. 特長
4. まとめ
1.はじめに

 性能評価制度が始まり浄化槽製造各社からコンパクト製品が多く販売されています。
 51人以上の浄化槽においてもコンパクト浄化槽が主流となっています。
 51人以上の浄化槽では、大きく分けて、流量調整タイプと沈殿分離タイプがあります。今回紹介させていただく、FCA型は、沈殿分離タイプになります。
 弊社製品で沈殿分離タイプのコンパクト浄化槽にFCW型がありますが、FCA型は更にコンパクトとなっています。
 以下に、FCA型の概要、特長を紹介します。
 
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2.概要

1)処理方式及び性能
 FCA-J1、A型の処理方式及び性能について、表1に示します。

 表1 FCA-J1、A型の処理方式及び性能
処理方式  固液分離担体流動生物ろ過循環方式
対象人員  51〜70人(FCA-J1型)
 51〜910人(FCA-A型)
汚 水 量  2.55〜14m3/日(FCA-J1型)
 2.55〜45.5m3/日(FCA-A型)
処理水質  BOD:20mg/L以下
 COD:30mg/L以下
 SS :20mg/L以下
 n-Hex:20mg/L以下
(日本建築センター性能評価値)

図1 概略構造図

図2 処理フロー図

2)構造及び機能説明
 図1に概略構造図、図2に処理フロー図を示します。
 汚水は、「汚泥貯留槽」の上部に配置してある「固液分離部」に流入します。
 図3に汚泥貯留槽の断面図、図4に固液分離部構造概要図を示します。
「固液分離部」は、W型のホッパー形状で水面積を多く確保し、安定した沈降性能を確保します。横向流により夾雑物やSS等を除去し、除去された夾雑物やSS等は、下部の汚泥貯留部に沈降させます。固液分離部にはろ材が充填してあり、固液分離部で分離されなかった粗大固形物を捕捉します。夾雑物やSS等を除去後、担体流動槽第一室に移流します。
 「汚泥貯留部」は、固液分離部で除去された夾雑物やSS等を貯留する機能を有します。貯留汚泥等は流路の系外に貯留されるため、流入水の影響による汚泥の流出を防ぎます。更に、汚泥の自重で圧密濃縮し汚泥を貯留することが可能です。

図3 汚泥貯留槽の断面図 図4 固液分離部構造概要図

 担体流動槽第二室槽内水を汚泥貯留槽底部へ循環移送し、底部汚泥と接触させることで脱窒を促し、スカム化が促進されます。
 「担体流動槽第一室」は、下部の担体流動部と上部のピークカット部からなります。
 担体流動部には、担体が充填してあり、担体に付着している好気性微生物により処理されます。また、ピークカット部には、定量移送装置が設置してあり、処理水を担体流動槽第二室に定量移送します。流入水量の変動を緩和することで後段の処理が安定します。
 「担体流動槽第二室」は、担体が充填してあり、担体に付着している好気性微生物により処理され、生物ろ過槽に移流します。また、担体流動槽第二室槽内水は、循環水移送装置により、汚泥貯留槽底部へ常時循環移送します。
 「生物ろ過槽」は、ろ過担体が充填してあり、ろ過担体により生物ろ過し、消毒槽に移流します。また、ろ過担体下部に逆洗装置があり、逆洗時に捕捉した汚泥を解体し、汚泥貯留槽底部へ汚泥を移送します。
 「消毒槽」は、塩素消毒された後に放流します。
 
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3.特長

1)FCA-J1型カプセルタイプによる浅型設計
 FCA型は、φ2500円筒横置きのFCA-A型と、カプセルタイプのFCA-J1型をラインナップしています。FCA-J1型の全高は、50人槽程度の2310mmを実現しました。

2)低負荷対策の調整の容易化
 低負荷状態により担体流動槽第一室で生物処理が進行しすぎた場合、硝化進行によるpHの低下や担体流動槽第二室へのBOD負荷の減少による生物膜の解体や死滅等により所期の性能が達成できない可能性があります。そのような場合、担体流動槽を2槽に分けていますので、担体流動槽一室の散気バルブを槽内状況を確認しながら段階的に、全閉までしぼることによりに、低負荷対策が容易にできます。
 
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4.まとめ

 51人以上においても、コンパクト製品が主流となりました。今後も、各社から更にコンパクトな製品が販売されることと思います。ただし、コンパクトであれば、どんなものでもよいことにはなりません。根本にあるのは、浄化槽は生活排水を適切に処理するものだからです。
 更に、前述したように、規模の大きな浄化槽は小型の浄化槽に比べ様々な用途で使用されます。季節的な変動、規模の縮小等で大きく負荷が変動することも考えられます。その中で、無駄なく、安定した水質を得るためには、保守点検業者、清掃業者の協力のもと柔軟な対応ができる処理槽が必要となります。今後もこれらに配慮し、より良い製品の開発に努力したいと思います。
(大栄産業(株) 企画開発室)
 
 
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